L.L.Bean 完全年代ガイド|タグで読み解く進化と名作アーカイヴ

本記事は、エルエルビーン(L.L.Bean)の「歴史と理念」から「年代別タグの見分け」「名作アイテム」までを一気通貫でまとめた保存版です。ヴィンテージ相場の変動や偽装の典型例、オンライン購入時の注意点や、買取の際のポイントについても解説していきます。

はじめに

近年、アウトドアウェアの再評価に伴い、

古着市場でも L.L.Beanのヴィンテージアウター が人気急上昇しています。

創業100年以上の Bean は

年代によってタグ、素材、パターンが大きく変わり、

それぞれの時代に“らしさ”があります。

この記事では古着屋 EAGLE BASE の視点から、

タグから年代を読み解く方法 と

時代ごとの代表アイテム を一覧でまとめました。

L.L.Beanのはじまり

L.L.Beanは1912年、創業者 レオン・レオンウッド・ビーン(L.L.Bean) が、

「本当に使えるアウトドア用品を作りたい」という思いからメイン州フリーポートで立ち上げました。

最初の商品は、ハンティング中に濡れないようゴム底を縫い付けた “メイン・ハンティング・シュー(現ビーンブーツ)”。

当時では珍しい“返品無料保証”をつけて販売し、品質への自信を示しました。

ブランドの理念

創業当時から一貫している理念は、

「アウトドアをより快適に、安全に楽しむための“本物の道具”を作ること」。

その精神は今も受け継がれ、

・タフで壊れにくい縫製

・寒冷地でも使える素材選び

・シンプルで飽きないデザイン

といった“質実剛健”なものづくりとして表れています。

なぜヴィンテージの人気が高いのか

年代ごとに

・素材(コットン×ナイロン、60/40、ウール、ダウン)

・タグデザイン

・縫製仕様

が大きく変化しており、1990s以前のものには今では見られないディテールが多数あります。

そのため タグだけで年代が分かる=価値が決まる という点でも、コレクターから高い支持を得ています。

L.L.Bean タグの変遷と時代背景

L.L.Bean の年代判別は

「タグ」+「素材」+「デザイン」 の3つを見ればほぼ完璧。

ここでは時代別に

・どんなタグが使われていたか

・どんなアイテムが作られていたか を分かりやすく整理します。

■ 1930s〜1940s:最初期のハンティング期

タグの特徴

               •              黒地に金刺繍のブロック体

               •              後期はINC.が付く             

     •             今では資料レベル

1930年代:ブロック体タグ期

 代表アイテム

1930〜40年代:赤色の目立つ丸いタグ期

               •              コの字Zipperが使用されたバッグなどに付くタグ。

代表アイテム

完全に“ハンターの服”という無骨さが魅力。

■ 1950s〜1960s:クラシック筆記体タグ期

タグの特徴

               •              黒地に金色の文字もある。一般的に黒地の方が白地タグよりも古い。

               •              “INC.” の有無で前後期が分かる

               •             1967年に創業者が亡くなり、孫が新社長に。その時に筆記体が太字に変更された。

代表アイテム

■ 1970s:アウトドアブランド化する転換期

タグの特徴

               •              TMが付くタグは個数が少ない。

               •              特に筆記体タグは1970年代後半のみ使用された。

               •              北米アウトドア市場の拡大に合わせデザインが変化

代表アイテム

ここから “街着としての Bean” が浸透し始める。

■ 1980s:ブランドロゴが確立した黄金期

タグの特徴

               •              四角タグでデザインが安定

               •              このタイプのロゴは1970年代からカタログで使用されている。

               •              米国製の製品は減少→アジアと南米製の製品が増加。

代表アイテム

1980〜90年代:タグの下部に「Made in USA」が付く

               •              1984年に「Crafted with Pride in the USA」を米国のアパレル業界と労働組合245団体が結成。

               •              消費者に対して米国製の衣料品を購入するように呼び掛けるキャンペーンを開始。

               •              歴史の流れは覆す事ができず、1990年以降米国ブランドの衣料品生産の大半は海外に移転。

■ 1990s:軽量化+ハイテク素材の時代

タグの特徴

               •              現行に近いロゴ

               •              レジスターマークのみ

代表アイテム

軽くて使いやすい”実用性の高い時代。

L.L.Bean の魅力は

クラシカルなデザインを現代まで引継ぎ、タグの違いでコーディネートに個性を出せるところ。

筆記体のクラシック期、

アウトドアブランド化した70s、

街着として完成した80s、

軽量化した90s。

これらのバックボーンをアイテムを通じて感じられるのが

Beanヴィンテージの一番の面白さ。

最後に

創業100年以上のL.L.Beanは、年代によってタグや素材、縫製、シルエットが大きく変化してきました。

そのためヴィンテージ市場でも人気が高く、正しく年代を見極めることで価値が大きく変わるブランドでもあります。

特にオンライン購入や買取査定では、

「タグの種類」「状態」「オリジナルかどうか」

といった細かなポイントが金額を左右します。

本記事を参考に、あなたのL.L.Beanが“どの年代のどんな価値を持つのか”をぜひ知ってみてください。

買取に出す際は、

・タグ部分のアップ写真

・裏地やコヨーテファーなど素材の状態

・ほつれや補修の有無

・品番タグやサイズタグ

を一緒に送ると、より正確な査定が可能になります。

EAGLE BASEでは、ヴィンテージのL.L.Beanを一点ずつ丁寧に査定し、魅力をしっかり評価します。

「これいくらくらいだろ?」という軽い気持ちでもOKなので、気になるアイテムがあれば気軽にご相談ください。

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EAGLEBASE

「ヴィンテージを次の世代へ」をコンセプトに

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